お盆の時期になると、 キュウリやナスに割り箸などを挿してつくられた 「精霊馬」を目にすることがあります。
先祖の霊がこの世へ戻ってくるとき、 そして再び帰っていくときの乗り物としてつくられるものです。
今回は、白ナスとズッキーニを使って精霊馬をつくりました。
迎えるための馬、送り出すための牛
一般に、キュウリでつくるものは馬、 ナスでつくるものは牛に見立てられます。
先祖には馬に乗って早く帰ってきてもらい、 帰りは牛に乗ってゆっくり戻ってもらう。
そこには、 迎える側の気持ちが形として表現されています。
単なる飾りではなく、 「早く会いたい」 「帰りはゆっくりしてほしい」 という思いが込められているところが印象的です。
身近な野菜が、文化の象徴になる
精霊馬に使われるのは、 特別な道具ではなく、 その季節に身近にある野菜です。
今回は白ナスとズッキーニ。 いつもの精霊馬とは少し違う姿になりました。
けれど、使う素材が変わっても、 「迎える」「送る」という意味は変わりません。
文化は、決まった形をそのまま繰り返すだけではなく、 その時代、その土地、その家にあるものを使いながら 受け継がれていくものでもあります。
形を変えながら残るもの
古くから続く行事でも、 実際の姿は少しずつ変化していきます。
使う素材が変わる。 飾り方が変わる。 暮らし方が変わる。
それでも、 誰かを迎え、想い、送り出すという行為が残っている。
その中心にある意味が受け継がれている限り、 文化は形を変えながら生き続けていくのかもしれません。
白ナスとズッキーニの精霊馬。
今年のお盆の文化観察、完了です。